功利主義者とリバタリアンの会社経営論~給与の分配に関するジレンマ

マイケル・サンデルの「正義」に関する本を読んで、身近な事例から道徳的ジレンマを考えるのがおもしろいと思った。国家や大学の使命・美徳という話も出てきたが、社会制度や道徳を論じるのに「会社組織」を想定してみるのもありだと思う。 これからの「正義…

ワンピースと進撃の巨人、ナウシカにおける相対的正義と連帯の美徳

マンガ『ONE PIECE』に出てくる海軍という組織が気になる。上官は背中に「正義」と書かれたコートを羽織って出てくるのだが、マイケル・サンデルの本を読むとなぜか海軍大将を思い出してしまう。 これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクショ…

保守でもリベラルでもリバタリアンでもない、単なるオポチュニスト

マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』を読んで、今さらながら自分の政治的スタンスがわかってきた。アメリカ的な保守派とリバラリニズムの信奉者と思っていたが、結局のところフリーランスという職業がそうさせているだけの気がする。 正…

功利主義者があえて価値を認める、マイケル・サンデルの共同体主義

マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』最初に読んだときは、功利主義とリバタニアリズムの説明がしっくりきた。 自分は「お金にしか興味がない」と思っていたが、本書によるとこういう一元的な共通通貨で物事を評価する傾向は功利主義に分…

リバタリアンな功利主義者が、ロールズの格差原理に賛成できない理由

マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』を読んで、功利主義とリバタリアンの主張は素直に受け入れられた。アリストテレスもまだ理解できる。カントはやや厳しいが、言いたいことはわかる。 これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノン…

マイケル・サンデルの功利主義とリバタリアニズムの解説がわかりやすい

マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』はいろいろな解釈ができる。 これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2011/11/25 …

いまさら「正義」の話をしてみよう~マイケル・サンデルの白熱教室再考

ブックオフの株主優待券を消化するために購入した古本、マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』レビュー。7年前くらいによく売れた本は、たいてい古本屋で大量に平積みされている。文庫本も出ているので、普通に買うなら単行本よりそちらが…

寿命格差の実態~低所得者は読んでも無意味な『LIFE SHIFT』レビュー

リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの共著”The 100-Years Life”。原題通り、これから「寿命100年」の時代、いかに有利に生き延びるかというのがテーマになっている。 空港のラウンジで読んだ、週間東洋経済の特集で興味を持った。「人生100年時代」…

ビットコインとブロックチェーンの本質~野口悠紀雄の入門書レビュー

昨年末、忘年会やクリスマスパーティーでIT系の人たちと顔を合わすと、たいていビットコインの投資話で盛り上がった。数年前までは「マイニングで稼げるらしい」という技術的な話題が中心だったが、今では一般人も参入する投機対象と化してしまった。バブル…

行動経済学から実存哲学まで、シーナ・アイエンガー『選択の科学』レビュー

リチャード・セイラーがノーベル経済学賞を受賞したというニュースで、にわかに行動経済学への注目が高まってきた。この分野での受賞は2002年のダニエル・カーネマン以来久々ということなので、学問的にはまだまだ傍流ということだろうか。 スティーブン・レ…

ブックオフ優待で買ったピーター・ティール『ZERO to ONE』レビュー

ブックオフコーポレーションの株主優待でもらえる買物券は、そこそこ利回りがよい。3年以上の継続保有で金額もアップするので、長年キープしている銘柄の一つだ。 あえてブックオフで買うなら 本といえば、仕事用に急ぎで必要とかでなければ、まずは古本を探…

エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』を読んで現実逃避する週末

会社をやめて自由になり、毎日昼まで寝ていたり、一日中ゲームばかりして遊んでいても、誰にも文句をいわれない。対外的な束縛がなくなって、客観的にはすごく幸せとしかいえない状況だが、主観的には案外そうでもなかったりする。中二病というか中年の危機…

過労死する前に読みたい『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

会社勤めをしていた時代に、なんで毎朝起きて通勤しなければいけないのかと、不思議に思ったことがある。 通勤ラッシュと『夜と霧』 目の前で電車のドアが開き、すでに満員ではちきれそうな人の壁の中に突入する。ガラスにむぎゅっと顔を押し付けながら、次…

『ハックルベリイ・フィンの冒険』文学史に残る不良少年の旅行記

大人になってから『トム・ソーヤ―の冒険』を手に取ったが、続編の『ハックルベリイ・フィンの冒険』も読んでみた。前作では脇役だったハックが主役になって、ミシシッピー川を放浪する物語である。どちらかというと『トム・ソーヤ―』はわかりやすい大衆的な…

ゴルゴ13がアサルトライフルM16を使い続ける理由~BF3で検証

近所の図書館には、なぜかマンガが充実している。昔から図書館にあるマンガといえば、手塚治虫や三国志くらいだったが、ここはワンピースにナルトなど普通に最近のマンガが置いてある。 図書館にあるマンガは「労働」がテーマ 一応、大人向けと子供向けのコ…

インデックス投資をはじめる前に読んでおきたい本8選

市場全体に広く分散投資して、TOPIXやダウ平均株価との連動を目指すインデックス投資。銘柄選択を思考放棄した究極の放置プレイともいえる投資方法だが、一部の投資家には根強い人気を誇っている。 インデックス投資を始める際に、参考にした書籍をまとめて…

『敗者のゲーム』に学ぶインデックス投資の要諦と批判的試論

パッシブ運用の指南書として評価が高いチャールズ・エリスの『敗者のゲーム』。株式投資の参考書として紹介されることも多いが、皮肉なことに本書で徹底して伝えられるのは、「個別株投資はするな。インデックスファンドの長期投資でしか勝てない」というメ…

『限界費用ゼロ社会』失業者が増えるのは資本主義の終焉が原因かも

ジェレミー・レフキンの『限界費用ゼロ社会』を読み終えた。「モノのインターネットと共有型経済の台頭」という副題のとおり、IoTが普及するとモノやサービスの生産コストが限りなく少なくなり、資本主義経済が滅びて共有型経済に移行する、という趣旨の本で…

『トム・ソーヤーの冒険』名言多数、大人も読みたい米国文学の古典

日常生活でたびたび話に出るのに、実は読んだことがなかったマーク・トウェインの小説『トム・ソーヤーの冒険』。不良や海賊に憧れるとか、好きな女の子の前でなんとか目立とうとするとか、子供ながらの価値観や知恵と工夫がみずみずしく表現されている。や…

『ウォール街のランダム・ウォーカー』~思考停止型株式投資のすすめ

株投資関連の書籍の中では常に高い人気を誇る本書。ブックオフに並んでいた少し古い原著第9版を持っていたが、久々に読み返してみた。 ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理 作者: バートン・マルキール,井手正介 出版社/…

モノマガジンの小屋特集~ミニマリズムとマテリアリズムについて考える

ヤドカリの本を読んで小屋について調べていたら、モノマガジンで何度か特集が組まれていたことを知った。2016年6/16号と11/16号を2冊取り寄せてみたが、いずれも古本なのに定価より値上がりしている。 モノマガジン 2016年11/16号 出版社/メーカー: ワールド…

国内トップレベルの小屋ビルダー紹介、ヤドカリ本『アイムミニマリスト』

小屋つながりで読んでみたヤドカリのもう1冊の本『アイムミニマリスト』。 アイム・ミニマリスト 作者: YADOKARI 出版社/メーカー: 三栄書房 発売日: 2015/11/27 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 『未来住まい方会議』はその名の通りヤドカリの…

小屋カルチャーを牽引するヤドカリの本『未来住まい方会議』レビュー

田舎に来てまわりに安い土地がごろごろ転がっているのを見ると、久々に「小屋つくりたい」欲求が湧いてきた。ウェブで小屋を検索すると、たいていヤドカリ関連のサイトが引っかかる。2冊出ているヤドカリ本のうち、新しい方の『未来住まい方会議』を読んでみ…

東京~千葉、二地域居住の実録『週末は田舎暮らし』by馬場未織レビュー

最近「都市生活と田舎暮らしのいいとこ取り」のような暮らしができないかと考えている。長期的には地方に住んだ方が健康的でストレスも少ないと思うが、現状では残念ながら東京以外でフリーランスとして仕事を受けるのは厳しい。地元の仕事があっても、ウェ…

気負わない田舎暮らし『半農半Xという生き方』by塩見直紀レビュー

年末に、ヤドカリの『 未来住まい方会議』で紹介されていた「半農半X」の本とその続編を読んでみた。2003年の出版なので10年以上前に話題になった書籍だが、続編も何冊か出ている。なんとなく牧歌的な田舎暮らし礼賛の語り口だが、無農薬で米作に取り組むエ…

町おこしも見た目が重要!『地域を変えるデザイン』レビュー

神山町の本に関連して、装丁がかっこよかった『地域を変えるデザイン』(監修:筧祐介)も借りてみた。地域の問題解決というと行政やアカデミック系の本が多いが、「デザイン」がテーマというのがおもしろそうだ。 パラパラと立ち読みして、各自治体の取り組…

IT業界で噂の神山町の実態がわかる本『神山プロジェクト』レビュー

近くの図書館で何となく気になった本をレンタル。市内のメイン図書館は新聞・雑誌だけでなく、ビジネス書から学術書、趣味のハウツー本まで何でも揃っている。 いつかやってみたい田舎暮らしに関連して「観光・地域振興」系の棚を見ていたら、神山町の本が目…

図書館で見つけた異端なノマド本3冊レビュー、ノマドブームを振り返る

最近よく地元の市民図書館に行くが、平日の真昼間でも意外と人が多くて新聞の取り合いになったりする。たいていはリタイアしたシニアだが、たまにスーツを着たサラリーマン風の男性や、自分のように正体不明な中年も混ざっている。 図書館の経済・ビジネス系…

ミニマリストが見習うべき養生訓満載の『フランクリン自伝』レビュー

1年ほど前にアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』を読んで、アメリカ人のメンタリティーというものに興味を持った。 肩をすくめるアトラス 第一部 作者: アイン・ランド,Ayn Rand,,翻訳 脇坂あゆみ,デザイン 中三川基,脇坂あゆみ 出版社/メーカー: アト…

Bライフ寝太郎さん『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか』レビュー

「Bライフ」とググればトップに出る「寝太郎ブログ」で有名な高村友也さんの最新作『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか』を読んでみた。今回は「人はなぜ生きるのか」という哲学的なテーマを突き詰めて、小屋暮らしにいたるまでの過程をつづったエッセイだ…