ブログでメシは食える~ASPはアドセンスとアマゾンだけで十分

誤解を恐れずに言えば「ブログで飯は食える」。もやし1袋とかおにぎり1個とかの冗談ではなく、朝昼晩しっかり定食3食だ。

そして「ブログで生計を立てられるか」といえば、それは目指す生活のレベルによる。贅沢を追求すればきりがないが、逆にどこまで家計を切り詰められるか考えると、各自にとって譲れない水準が見つかるだろう。

問題は目標をどこまで下げられるか

自分の場合は最低限、年収100万円あれば幸せに暮らせる。その気になればさらに支出を抑えることもできるが、たまに旅行に行ったり趣味の道具を買うとなると、そのくらいは欲しい。入院したり保険に入ったり、イレギュラーな支出も考慮する必要がある。

そしてブログで年間100万円を稼ぐことは、不可能でなさそうだ。足掛け15年、本格的にブログを書き始めてから約2年、ようやくまともに売上が立ってきた。今のところ月収は横ばい~微増なので、もう数年続ければ年収100万円の大台に乗りそうだ。

売上1日数円から1,000倍に

Google AdSenseを導入した最初の売上は1日に数円程度。「これじゃあ、とてもサーバー代すら回収できないな」と思いつつも、ブログを書かない日でも勝手に売上が立つのは不思議な感触だった。そのまま地道に続けて10記事、100記事と増やしていくうち、いつの間にか1日の売上が100円を超え100円を超え、そして1,000円に達した。

年間5,000円ももらえれば、WordPress用に借りている安いレンタルサーバーとドメイン代は回収できる。さらにもう5,000円あれば、はてなブログを有料のプロ版にアップグレードしても元が取れる。そうすれば自前の広告をフルで貼れるようになるから、さらに収入を伸ばせる。

アフィリエイトを導入してから半年以上。売上月間1,000円を超えたくらいから、ようやくブログに手ごたえを感じてきた。必要経費以外に自分の労働単価を考えるとまったく割に合わないが、今年1か月ほど入院したときも、ブログが勝手に稼いでくれたのは頼もしかった。ストック型のビジネスを育てていくのは初めての経験だ。柿の木を植えて水をやるように、毎年たわわに実がなる姿を想像するのは楽しみである。

イケダハヤトも知らずに始めた

ウェブ業界に長年関わってきたが、ブログ関連の話題にそれほど詳しい方ではなかった。普段はニュースや仕事がらみのサイトを見るか、調べ物をするときしかブラウザを立ち上げない。もともとテレビも見ないので、いたずらにネットサーフィンする習慣がない。現在のブログを始めてからアフィリエイトの情報を調べていたときに、ようやく最近のプロブロガーと呼ばれる人たちに興味を持った。

イケダハヤトが「毎月2~3万でいいのなら、上手い人なら1年もあれば稼げるようになる」と言っているのは、おそらく統計的に真実だろう。自分の場合は仕事の片手間で更新もゆっくりだったので、その2倍くらいは時間がかかった。とりあえずブログの収益はそのくらいが目標かなと、控えめに考えるようになったので、焦らず淡々と続けて来られた。年間20万くらいでも、仕事の合間に手がける副業で稼げるなら万々歳だ。

AmazonでKindle Unlimitedの30日無料体験を申し込んだら、イケダハヤトの電子書籍をほとんど無料で読むことができた。初期のブログ売上推移を、具体的な数値を挙げて説明してくれているので、「うまくいけばこんなペースで成長するんだな」というイメージはつかめた。もっとも彼の場合は単なるブロガーというより一流のエッセイストなので、おいそれと真似できるパフォーマンスではないが。

『ブログ飯』は色褪せない良書

染谷昌利さんの書籍『ブログ飯』も参考になった。たまに読み返すと、初心に帰って有益な記事を書こうという気にさせてくれる良書だ。アフィリエイト関連のハウツーものでなはなく、長期的にブログに臨むスタンスを学ぶには、先人たちのロールモデルが参考になる。ウェブ業界では5年も経てば陳腐化するツールやノウハウが多いが、「価値ある情報を提供して対価をいただく」という執筆業としての本質は不変だろう。

ブログ飯 個性を収入に変える生き方

ブログ飯 個性を収入に変える生き方

 

ブログやアフィリエイト関連のウェブサイトは山ほどあるが、玉石混交で価値ある情報を探すのが難しい。「月○○万稼ぐ方法」とか「初心者でも○○円稼げた」というような目を引く記事は、たいていどこかで読んだ情報を流用した二次情報だ。それでもアクセスが集まって儲かるから手がける人がいるのだろう。いわゆる「まとめサイト」は、長期的にGoogleの検索エンジンが高度化すれば淘汰されていくように思う。

それに比べると、本や電子書籍など出版物の方が念入りにレビューされるからか、内容が充実していることが多い。閲覧中に余計な広告やセールストークを読まされる必要もないので、ウェブ関連のネタでも本を買って読む方が効率がよい。自分は最近モニターを見ると目が疲れるようになってきたので、できれば紙の書籍か電子ペーパーで読みたいという理由もある。

怪しげな情報教材のPDFをつかまされるよりは、多少古くても定評がある書籍を読んだ方が実りあるだろう。ハウツー系のウェブサイトからは、AdSenseの新しい広告ユニットの使い方など、最新情報だけ拾い読みすれば事足りる。

ASPの付き合い方

一般にアフィリエイトというとうさんくさいイメージがつきまとうが、実際にはいくつかのバリエーションがある。ざっくりいうと、インプレッション保証型<クリック保証型<成果報酬型の順に、広告としての押しつけがましさが増えるイメージだ。

バナー経由で商品やサービスが成約しなければ対価を得られない成果報酬型は、おのずからサイトの内容も「売らんかな」という性格を帯びてくる。インプレッション保証型は任意に表示される広告を見られるだけで収益が上がるので、サイトの作り方にはあまり影響しない。クリック保証型はその中間というところだ。

Google謹製のAdSenseはインプレッションとクリック保証のハイブリッドだが、運用してみると怪しげな印象はあまりない。物販がらみのAmazonアソシエイトは成果報酬型だが、大手企業のお墨付きなので売り手にも買い手にも安心感がある。それ以外のバナー経由で特定の商品購入を促すような典型的な成果報酬型アフィリエイトは、時間の無駄なので関わらなくてよいと思っている。

成果報酬型アフィリエイトはむなしい

ブログを始めた当初はA8.netやバリューコマースなどのアフィリエイトもいろいろ利用してみた。ASPと呼ばれるこれらのサービスは国内で20社以上ある。とても全部は網羅できないが、扱う商材や得意分野が微妙に違うので、試しに7社くらいアカウントを作ってみた。

趣味に特化したサイトの方で、自分もたまに使う海外の格安通販サイトのバナーを張ってみたが、1年ほど運用して紹介手数料はゼロだった。雑談系のサイトではバナーのクリック数すら皆無だった。記事の内容が技術系や資産運用関連で、ユーザーのITリテラシーが高く、広告をクリックしてもらえなかった可能性もある。自分もよほど酔っぱらっているときでもなければ、わざわざ怪しいサイトのバナーを踏んで商品を買ったりしない。

そもそも自分が素直におすすめできない商材を、自分のウェブサイトで紹介するのは気が進まない。無差別に表示されるAdSenseなら仕方ないが、配置しているバナーによってサイト制作者のセンスがわかる。おそらく物販系の成果報酬型アフィリエイトで利益を出すには、商品販売に特化したレビューサイトを作りこまなければならないだろう。それは自分がブログでやりたいことではない。

正直なところ、両親や友達に胸を張って説明できないようなグレーな仕事には携わりたくない。ネットユーザーのリテラシーが上がるにつれて、内容希薄なサイトはいずれ淘汰されると思う。持続可能性の面で不安があるし、良心の呵責という余計なストレスを抱えることになる。情報学的な差異というか、世の中に何らの有益性ももたらさない金儲けの手段はいずれ干されると確信している。

個人的なモチベーションが湧かない以上、たとえ儲かったとしても続けられないのは目に見えている。生半可な気持ちで仕事に取り組んでもろくなことがないのは、これまでの社会人生活でさんざん経験済みだ。せっかくリタイア後の趣味も兼ねてブログに取り組むのだから、自分がユーザーとしても納得できるクオリティーを目指そうと思った。

結局AdSenseとAmazonアソシエイト

結局数あるASPの中から残ったのは、AdSenseとAmazonアソシエイトだけだった。同じページに併用してカニバる恐れもあるが、性格の異なる広告なので直接競合はしない。提供元がネット業界の大手2社というのも、有象無象の国内ASPに比べて長期的に利用できそうな安心感がある。実際Amazonアソシエイトの方は、最初にはじめたブログから15年以上の長い付き合いだ。

本や映画の引用、特定のガジェットを紹介するときはアマゾンのページにリンクを貼るのが便利だ。いまどきは本だけでなく、食品から雑貨まで思いつく商品はたいてい揃う。むしろブログの中で著作権を気にせず商品画像を引用したいがために、Amazonアソシエイトから引っ張ってくることもある。価格についても、送料込みだと楽天市場や他の通販サイトよりアマゾンの方が若干安い。各社のクレジットカードをつくればもらえるポイントも増えるが、高額な買物でなければ還元率は誤差の範囲だろう。

AdSenseは記事下の方に控えめに広告ユニットを配置していたが、目立たない位置でもそれなりに売上が立つ。最近、運営している一部のブログで「関連コンテンツ」の広告ユニットを使えるようになった。さっそく導入してみたら、それだけで売上が1.5倍は増えたので、広告の種類や配置の最適化というのはもう少し研究してみたい。

昔は記事中に広告が挟まれるのは嫌な気分がしたが、最近は運営側の事情もわかってきたので大目に見られるようになってきた。尊敬できるサイトであれば、むしろ「有益な情報を提供してくれてありがとう。しっかり稼いで続けてね」と応援したくなる気持ちもある。

ケチな自分でも、リスペクトする著者のサイトではわざわざアマゾンのバナーをクリックしてから本を注文することもある。執筆業はどんどん食えなくなってきているといわれるが、本質的に価値があれば需要家がサポートするので、何らかのかたちで今後も対価を得られるだろう。

個人的にはAdSenseの広告ユニットを調整するよりも、さっさと記事を書きたい方だ。車を洗ったり改造することを楽しむより、早くドライブに行きたい性格ともいえる。いったん広告をを配置したら1年くらい放置してしまう。アフィリエイトにはそれほどまじめに取り組んでいないともいえるが、ブログ開始の初期段階で広告をこねくり回しても効果は微々たるものだろう。本格的にAdSenseを最適化するのは、もっとPVを稼げるようになってからでいいと思う。

ブログはIT業界の飲食業

なぜ人は「ブログ飯」に憧れるのだろう。別にブログに限らず、インターネットで記事を書いたりモノを売ったりして稼ぐ手段はいくつもある。ブログが魅力的に見えるのは、誰でも始めやすい執筆作業であること、また趣味の話題や日用品のレビューネタで共感を得やすいからだろう。「いつかカフェやラーメン屋を開業したい」と考える人が多いように、副業の手段として身近に思いつくブログはIT業界の飲食業といえる。

ネット上のビジネスは昔からある不労所得(不動産や印税)に比べて、バズると驚異的にスケールアップする可能性も秘めている。実際、炎上ですらマーケティングの手段として活用される世界だから、「とにかく目立ってユーザーを集めて広告でマネタイズする」という事業モデルはわかりやすい。母集団が増えればPV数と売上はほぼ相関する。情報を複製するのは無料なので、サーバーの負荷だけ気をつければ実店舗と違って回転率を無限に高められる。

いきなりAIやロボットを開発するのは難しいが、ブログなら素人でも無料サービスで始められる。同じIT系ということで、ブログ事業もGoogleやAmazonのような有名企業の香りがするのだろう。実際にアフィリエイトを始めてこれらの企業から銀行口座に振り込みがあると、一介のブロガーでも何かの舞台に立てたような気がする。ストック型収益のモデルを築けたという意味では、そのインパクトは大きい。

ブログはレッドオーシャンか?

参入のハードルが低いということは、すなわちレッドオーシャンな業界であるともいえる。ブログを書いても1年くらいほとんど利益も出ないのは、確かに競争が厳しいからだろう。労力に対するリターンの金額には、まさに「見えざる手」が働いている。

しかし、はじめは1記事書いて数円程度、それが徐々に増えていくというのは単なる内職やアルバイトと違うところだ。競争のないブルーオーシャンは理想だが「水清ければ魚澄まず」、魚がいないから他の船と争うことがなく、あるいはそこで捕れる魚は市場で売れない恐れがもある。

一見真っ赤な血の海でも、場所によって濃度に差はあるかもしれない。海は広いので、もう少し遠洋に出てみれば魚群に巡り合うチャンスもありそうだ。とりあえず副業程度という意識なら、あえてブログというレッドオーシャンに漕ぎ出すのもありだろう。10年がかりで漕いでいれば、工夫次第でいずれ青い海にもたどり着ける。

海に出たらとにかく航海を続けること。まさにブログも長期投資と同じく、天才よりしぶとく続ける凡人が勝利する『敗者のゲーム』といえる。